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薬局経営 薬剤師 薬局経営者 2023.06.05 公開

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服薬情報等提供料とは?1,2,3の違いと算定要件 令和2年度診療報酬改定

令和2年度の診療報酬改定において、服薬情報等提供料の見直しが行われました。これにより、服薬情報等提供料3が新設されたため、服薬情報等提供料の違いを知りたい薬剤師も多いのではないでしょうか。現在、服薬情報等提供料には3種類あります。それぞれ算定要件が異なるため、違いをしっかり把握しておかなければなりません。今回は、服薬情報等提供料とはどのようなものなのかをご紹介し、3つの違いと算定要件についても詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策 #業務効率化

目次

服薬情報等提供料とは?令和2年度診療報酬改定

服薬情報等提供料とは、薬剤師が医師や医療機関、患者さんなどに情報提供を行った際に算定できる薬学管理料のことです。情報提供を行うことで、医療機関と調剤薬局が連携し、医薬品の適正使用を推進することを目的としています。

これまでは服薬情報等提供料1と服薬情報等提供料2の2種類しかありませんでしたが、令和2年度の診療報酬改定により服薬情報等提供料3が新設されました。

「疑義照会と何が違うのか」と疑問に思われる方もいるかもしれません。疑義照会はその場ですぐに確認を行うべきものであるのに対して、服薬情報等提供料は緊急性がなく、次回の処方時に役立つ情報を提供するものです。

うまく活用することで、服薬コンプライアンスを向上させたり、より良い治療計画を立てられたりするようになるでしょう。

服薬情報等提供料1,2,3の違い

服薬情報等提供料には1,2,3の3種類があり、それぞれ違いがあります。

  算定点数
服薬情報等提供料1 30点(月1回まで)
服薬情報等提供料2 20点(月1回まで)
服薬情報等提供料3 50点(3カ月に1回まで)

情報提供を何度行っても、服薬情報等提供料1と2は月に1回まで、3は3カ月に1回までしか算定できません。ただし、同じ患者さんであっても服薬情報等提供料1,2,3をそれぞれ別々に算定することはできます。なお、同じ医療機関に同じ情報を提供した場合は算定できないので注意しましょう。

算定要件

服薬情報等提供料は、それぞれ以下の場合に算定できます。どの種類の服薬情報等提供料を算定する場合にも、患者さんの同意が必要です。服薬情報等提供料1は、医療機関の医師から求めがあった場合に、医薬品の適正使用を目指して情報提供を行います。

服薬情報等提供料2は、患者さんやその家族から情報提供の求めがあった場合、もしくは薬剤師の判断で情報提供が必要だと判断された場合に算定できるものです。

新設された服薬情報等提供料3は、入院前の患者さんの情報を把握するために医療機関から求めがあった場合に算定できます。

  算定要件
服薬情報等提供料1 医師からの求めがあった場合に算定
服薬情報等提供料2 服薬指導をした際、医師への情報提供が必要だと薬剤師が判断した場合、もしくは患者さんやその家族から求めがあり情報提供を行った場合に算定
服薬情報等提供料3 入院予定のある患者さんの服薬情報を医療機関から求められた場合に算定

服薬情報等提供料1の算定要件

服薬情報等提供料1は、医師から求めがあった場合に算定できるものです。例えば、以下のようなときに算定できます。

・残薬の調整をしてほしいと医師から求めがあったとき
・医師の指示により分割調剤を行い、2回目以降の調剤時に情報提供を行ったとき
・医師から患者さんの服用薬や服薬状況を知りたいと求めがあったとき

患者さんに副作用が出ていると思われるケースでは、副作用の原因と推定される薬についても情報提供を行います。

服薬情報等提供料2の算定要件

服薬情報等提供料2は、薬剤師の判断によって算定できる薬学管理料です。患者さんや家族から求めがあった場合に、情報提供をしたときにも算定できます。主に、次のようなケースで算定が可能です。

・トレーシングレポートを使って医師に情報提供を行ったとき
・薬剤師の判断もしくは患者さんや家族の求めによって残薬の調整を行うとき
・緊急安全性情報や安全性速報など、患者さんの服薬期間中に新たに知った情報を提供するとき

残薬の調整はその場で行っても構いませんが、患者さんによっては「時間がないから後でしてほしい」と言われる方もいます。そのような場合は、次回の処方時に残薬を調整できるよう、あらかじめ医師に情報提供を行っておくとスムーズです。

服薬情報等提供料3の算定要件

服薬情報等提供料3は、入院予定の患者さんに関する情報を医療機関から求められた場合に算定できます。わざわざ情報提供を行わなくてもよいのではと考える方もいるかもしれませんが、患者さん本人や家族への聞き取りでは情報不足であることが少なくありません。

入院患者の服薬状況は院内で処方されたものだけでなく、他の薬局や医療機関で処方されたものも一元的に管理する必要があります。そのために薬剤師からの情報提供が必要となるのです。

▽参考記事
厚生労働省『調剤報酬点数表に関する事項』(PDF)
日医工医療行政情報『服薬情報等提供料1,2,3の調剤報酬全点数解説(2022年度改定版)』(PDF)

算定する前に注意すべきこと

服薬情報等提供料1,2,3のうち、どれを算定する場合でも、患者さんの同意が必須です。医師や薬剤師の判断だけで算定することはできません。

患者さんの同意を得ること

服薬情報等提供料の算定要件には、患者さんの同意を得ることが含まれています。薬剤師にしか話していない内容を医師がいつの間にか知っていたとしたら、患者さんはどう感じるでしょうか。「薬剤師に個人情報を漏らされた」と感じる方がほとんどでしょう。

患者さんと薬剤師の信頼関係が崩れて治療にも影響が出る恐れがあるため、情報提供を行う場合は必ず患者さんの同意が必要となります。

患者さんの同意を得るタイミングとして多いのは、服薬フォローアップを行うときではないでしょうか。服薬期間中に連絡をし、医師へのフィードバックが必要だと感じた際に同意を得て情報提供を行うのです。

また、薬局内に掲示を行うことで同意を得るパターンもあります。ただし、掲示をしたとしても患者さんから情報提供をしないでほしいと言われた場合は、同意を得られたことにはなりません。

きちんとした情報提供で患者さんと信頼関係を

服薬情報等提供料とは、医師や患者さんなどに情報提供を行った際に算定できる薬学管理料のことです。令和2年度の診療報酬改定により、現時点で服薬情報等提供料には1,2,3の3種類があります。

1は医師から求めがあったとき、2は情報提供が必要と薬剤師が判断したり、患者さんや家族から求めがあったりしたとき、3は入院予定のある患者さんの服薬情報を求められたときに算定できるものです。

どれも算定を取るためには患者さんの同意が必要です。情報提供を行う場合は、誰に何を伝えたいのかを明確にすること、短時間でも書いてある内容がわかるように記載することを意識しましょう。また、何か提案する場合は、きちんとした根拠に基づいて記載することが大切です。

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