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電子カルテ 医師 事務長 2022.05.17 公開

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電子カルテとレセプト審査

クリニックは毎月、保険者に請求を行うためにレセプト(診療報酬明細書)を作成しています。レセプト審査の仕組みとその対策について、ITコンサルタントの大西大輔氏に解説いただきます。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #機器選定ポイント #業務効率化 #紙カルテの電子化 #システム入替

目次

毎月、クリニックは保険者に請求を行うためにレセプト(診療報酬明細書)を作成しています。適切なレセプトが作成・提出されなければ、審査支払機関の「審査」の結果、返戻されたり、査定されたり、します。「審査」の仕組みを知り、今後のトレンドを理解し、その対策を行うことはクリニック経営においてとても大切です。

レセプト審査の仕組み

クリニックが保険者に請求を行う場合、毎月レセプトを作成し、審査支払機関である社会保険診療報酬支払基金(支払基金)と国民健康保険団体連合会(国保連)に提出。審査を経て審査支払機関からクリニックの指定口座に振り込まれることになります。保険者に直接請求することも可能なルールになっていますが、審査支払機関が、保険者の審査を代行し、支払を一括に行うことで効率化を図っています。
審査支払機関の「審査」は、クリニックから請求された「レセプト」に記載されている診療内容が、「保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)」「診療報酬点数表」「関連通知」など国が定めた保険診療ルールに基づき適正に算定されているかが確認されます。また、医薬品についても、「薬価基準」や「医薬品添付文書」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の内容に基づき適切に算定されているかについて確認されます。つまり、診療報酬の算定ルールに則って診療行為および医薬品が適切かどうかの確認が行われることになります。もし適切でない場合は、返戻(差し戻し)あるいは査定(減点)が行われることとなります。

レセプト審査の仕組み

返戻と査定

「返戻」とは、保険証の記号・番号の記載ミスなど事務的誤りや医療行為の適否が判断し難い場合に、審査側がレセプト自体を差し戻すことを指します。返戻がある場合は、レセプト原本に、指摘項目(照会事項や返戻理由)を添付して戻されますので、再度クリニックでレセプトを修正することにより再請求が可能です。
一方、「査定」はクリニックの請求に対し、審査側が不適当と判断した項目の内容を修正(減額・減点など)し調整された額で支払いが行われることを指します。査定された場合は、「増減点連絡書」等の通知がクリニックに届きます。査定は、基本的に再請求が難しく、また収入が直接引かれることになるので、実施した医療行為の対価が得られないという点で、医療機関にとっては大変厳しい制度です。
返戻・査定ともに、当月に見込んだ収入が得られないため、クリニックのコスト(人件費や材料費など)を考えれば、クリニック経営に少なからず打撃を与えます。返戻・査定をいかに少なく抑えるかが大切なのです。

コンピュータチェックは9割を目指す

政府は電子レセプトを長年進めてきており、2022年4月時点では、支払基金の調査で電子レセプトは全体の95.6%(オンラインが65.3%、電子媒体が30.3%)に上っています。電子レセプトが広く普及することで、レセプト審査はコンピュータによるチェックに随時移行しています。
2021年9月から稼働している審査支払新システムでは、クラウド技術を取り入れ、センターサーバの一元化、審査事務集約などが可能なシステムを構築することで、全国統一のルールでのチェックが可能になるとしています。また、AI技術の活用による振分け機能を実装し、精緻化を図り、「新システムの稼働後2年以内(令和5年度)にはレセプト全体の9割程度をコンピュータチェックで完結することを目指す」としています。

コンピュータチェックは9割を目指す

出典:審査事務集約化計画工程表について,2020年(支払基金)

突合点検と縦覧点検

2012年より支払基金は「突合点検」と「縦覧点検」を開始しています。国保連でも2013年から順次開始されています。
「突合点検」とは、電子レセプトで請求された同一患者に係る同一診療(調剤)月において、医科レセプトと調剤レセプトの組合せを対象に、医科レセプトに記載された「傷病名」と調剤レセプトに記載された「医薬品」の適応、投与量及び投与日数の点検を行うものです。突合点検の査定に係る支払額は、突合点検の査定結果をクリニックに連絡し、クリニックから、処方箋の内容と不一致である場合、その申し出を受けて保険薬局から処方せんの写しを取り寄せます。クリニックの処方箋内容が不適切であるのか、処方箋の内容と異なる調剤を薬局が行ったことによるかを確認した上で、原則、請求翌々月に支払額を保険医療機関または保険薬局から調整します。
「縦覧点検」とは、同一保険医療機関に係る同一患者において、当月分の医科レセプトと直近「6か月分」の複数月のレセプトの組合せを対象とし、診療行為の回数などの点検を行うものです。
クリニックは「突合点検」と「縦覧点検」に対応するために、電子カルテの入力に際して、「薬剤と病名のチェック」や「検査等の回数チェック」など、正しいレセプトを作ることを意識したチェックを行うことが求められているのです。

まとめ

「レセプト審査」はクリニック経営において、決して避けては通れないものです。そのため、適切なカルテ記載、そして正しいレセプトの作成を行い、返戻や査定をできるだけ少なくすることが大切です。
今後は審査支払機関のコンピュータチェックに「AI」が搭載され、9割の審査がコンピュータチェックに移行されるとしています。審査支払側がICT武装を積極的に進める中、クリニックも電子カルテをはじめとするICT技術での対応が迫られています。
クリニック経営者にとって、電子カルテが経営上のパートナーとなるためには、電子カルの「レセプトチェック機能」がとても大切であることが分かるでしょう。また、電子カルテの入力時にも「算定ルール」に則ったサポート機能が搭載されることで、クリニックは効率的な日々の運営が行えるのです。

【参考】
審査事務集約化計画工程表,2020年(支払基金)
審査事務集約化計画工程表について,2020年(支払基金)

商品紹介

筆者情報

大西大輔

MICTコンサルティング(株) 代表取締役

大西大輔

2001年一橋大学大学院MBAコース卒業。同年、日本経営入社。2002年に医療IT製品の常設総合展示場「メディプラザ」を立上げ、IT導入コンサルティング、システム選定アドバイス、研修事業等を担当。2016年にMICTコンサルティング(株)を設立。多くの医療機関の導入サポートや取材経験より団体などでの講演や執筆多数。

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