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コラム:診療科別のクリニック開業ポイント
コラム クリニック開業ポイント

呼吸器内科の開業を検討している方へ。資金や開業ポイント、事例に関して

  • 診療科別のクリニック開業ポイント

1. 序文

医療機関の開業と一口に言っても、診療科目によって必要な投資予算や収益モデルも変わってきます。本稿では「呼吸器内科」について開業資金・年収・開業のポイント・事例の記載をします。

2. 呼吸器内科の開業資金・平均年収に関して

(1)開業資金に関して

以下は、呼吸器内科クリニックの投資予算のサンプルです。
呼吸器内科 開業投資予算 サンプル

開業投資予算サンプル (C)株式会社G.C FACTORY調べ ※ 医師会入会費に関しては地域差があるのと、入らない先生もいるので外しています。 ※各医療機器の価格はあくまでも参考価格となり、実際は購入のタイミングやメーカーの選定によって変動します。 ※機器のくくりに関しては特別な意図はありません。

呼吸器内科として肺癌を含む腫瘍性疾患、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器感染症、睡眠呼吸障害、間質性肺疾患、肺塞栓症、呼吸不全などを診療する想定の場合、上記のような投資予算となります。前提条件を「テナント開業」「40坪(坪単価12,000円)」「医師1名」「X線設備あり」「CT設備なし」「手術なし」と仮置きして作成をしています。呼吸器内科は、ほとんどのクリニックでX線装置が導入されており、中にはCTまで備えているクリニックもあります。その場合は投資予算がかなり高くなる診療科と言えます。

(2)平均年収に関して

次に平均年収に関してです。まず出典の統計データだと呼吸器内科だけでは出ていなく、「内科」の実績ですと2,424万円(※1)となります。参考値として記載をしておりますが、もちろんこちらは統計値に過ぎないという点と、こちらの統計は令和元年実施のものです。今後2020年の新型コロナウィルスの流行で動向は変わると思われます。

3. 呼吸器内科の開業ポイント

次に、各開業工程におけるポイントを記載します。

(1)立地の選定

  • 内科も一緒に標ぼうをして高齢者中心に診る場合は住宅街や駅の近くなどわかりやすい立地が適しています。
  • 睡眠時無呼吸症候群や禁煙外来などを扱う場合はオフィス街などで開業をし、勤務をしている人たちをメインターゲットにする先生もいます。
  • CTを検討する場合は重量や電気容量など建物自体が搬入可能かについて確認が必要となります。
  • 逆に自院で導入できる設備を絞る場合は近隣で連携できる医療機関を見つけておくと良いです。
イメージ

(2)内装

  • 感染症とも切り離せない診療科目になりますので、広めの待合室を設けたり複数の診察室を設けたりすると良いです。
  • 車いすや酸素ボンベが必要な患者さんもいる診療科目となるので、廊下幅などに配慮が必要となります。
  • CTを導入する場合はCT室とキュービクルの場所を確保する必要があります。
  • 呼吸器リハビリを実施する場合は施設基準の関係で45㎡以上が必要です。(診療所では導入件数は少ないです)
  • 呼吸器疾患の患者さんが多くなるので、スタッフにも広めのスタッフルームがあると喜ばれます。

(3)採用

  • 看護師や受付に加えて、診療放射線技師を採用するクリニックもあります。

(4)マーケティング

  • 高齢者の方ももちろんいらっしゃいますが、小児や生産年代の方など幅広い人に対してのマーケティング戦略が求められます。(看板やチラシからWEB広告まで)
  • 設備の構成から健診を積極的に行う先生も多く、その場合は健診用のポータルサイトに登録をしたり企業に宣伝をしたりする先生もいます。

4. 実際にうまくいった医師の成功事例

以下に、呼吸器内科として成功されている先生の事例を記載します。

オンライン診療・WEB問診・予約システムを組み合わせた 呼吸器内科専門クリニック

  • 都市部から離れた住宅地エリア
  • 周辺の呼吸器を標ぼうしている多くのクリニックが「内科・呼吸内科」「内科・循環器内科・呼吸器内科」というような形で呼吸器を補助的に標ぼうしていた。そこで呼吸器を考慮して「呼吸器内科・内科」の診療科目として内装・医療機器を構成。
  • オンライン診療を積極的に導入し、検査が必要ではない診療のフォローに取り入れている。
  • 禁煙外来を自費診療でオンラインプログラムを作成し、企業の人事などへ案内を行い受注。
  • オンライン診療を睡眠時無呼吸症候群の継続フォローにも活用。(保険診療)
  • オンライン診療の運用は時間を分けて行うことにより、本来対面で診なくてはいけない方の待ち時間削減をして評判を上げている。
  • 完全予約制をとり自宅での事前の問診やアンケートも実施することで院内感染の原因となる混み合う待合室も解決。
  • 呼吸器内科として地域で有名になった段階で「内科」の標ぼうの取り下げを行い、より一層のオペレーションの均一化と専門特化を実現(このクリニックは診療単価も上昇)

5.まとめ

呼吸器内科は開業にかかる投資が比較的大きい診療科目と言えます。患者層は高齢者だけではなく若い人もおりさまざまなマーケティング手法を試していくことが求められます。また、今後は「感染対策」の取り組みもより重要となってくると考えられますし、オンライン診療などのシステムとも相性が良い診療科目と言えるでしょう。

筆者プロフィール

株式会社G.C FACTORY

https://ma.gcf.co.jp/

代表取締役 金子 隆一

コンサルタントとして、医療機関のM&A、開業、運営支援において累計100件以上の実績を有する。クライアントの問題解決に励むと同時に、都内の大規模在宅支援診療所のバックオフィス業務の設計及び実行責任者を兼任している。