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  5. 【2027年度】健康経営優良法人の認定基準|申請スケジュール・改訂ポイントを解説

企業健康経営 人事・総務 2026.09.15 公開

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【2027年度】健康経営優良法人の認定基準|申請スケジュール・改訂ポイントを解説

健康経営優良法人認定制度は、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」する目的で、2016年度に創設されました。「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」と認定されれば、社会的な評価が高まり、企業価値の向上が期待できます。認定要件は時代の変化にあわせて改訂されており、2027年度も前年度から一部変更されています。本記事では、健康経営優良法人2027の認定基準の内容や申請スケジュール、改訂ポイントをわかりやすく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理

目次

健康経営優良法人認定制度とは?

健康経営優良法人認定制度とは、健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」し、社会的な評価を受けられるようにするための顕彰制度です。

「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」に分かれており、申請先は業種と規模によって決まります。会社法上の会社等または士業法人の場合、区分は次のとおりです。

【2027年度】健康経営優良法人の認定基準|申請スケジュール・改訂ポイントを解説
業種 大規模法人部門(従業員数) 中小規模法人部門(従業員数または資本金・出資金額)
卸売業 101人以上 1人以上100人以下または1億円以下
小売業 51人以上 1人以上50人以下または5,000万円以下
サービス業 101人以上 1人以上100人以下または5,000万円以下
製造業その他 301人以上 1人以上300人以下または3億円以下

各部門には上位層の冠も設けられています。大規模法人部門の上位500法人は「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人は「ブライト500」として認定されます。中小規模法人部門では上位501〜1,500法人が「ネクストブライト1000」の対象です。

健康経営優良法人2027の認定基準

健康経営優良法人の認定基準は、大きく分けると次の5項目で構成されています。

  • 1.経営理念・方針
  • 2.組織体制
  • 3.制度・施策実行
  • 4.評価・改善
  • 5.法令遵守・リスクマネジメント

大規模法人部門・中小規模法人部門それぞれの認定基準を見ていきましょう。

参考:ACTION!健康経営

大規模法人部門

2027年度の大規模法人部門の認定基準は、次のとおりです。

認定基準(大規模法人部門)
1. 経営理念・方針

【健康経営の戦略、社内外への情報開示】

  • 健康宣言の社内外への発信(★)
  • 従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示(〇)

【自社従業員を超えた健康増進への取り組み】

  • 他社からの派遣社員等や家族への健康支援(〇)
  • ①トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること(〇)
2. 組織体制

【経営層の体制】

  • 健康づくり責任者が役員以上(★)
  • 健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・決定(〇)

【実施体制】

  • 産業医・保健師の関与(★)

【健保組合等保険者との連携】

  • 健保組合等保険者との協議・連携(★)

【健康経営の理解・促進】

  • 従業員への健康経営の理解・促進(〇)
3. 制度・施策実行

【従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討】

〈健康課題に基づいた具体的な目標の設定〉

  • 健康経営の具体的な推進計画(★)

〈健診・検診等の活用・推進〉

  • ②定期健診受診率(受診率100%)
  • ③受診勧奨の取り組み
  • ④50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

【健康経営の実践に向けた土台づくり】

〈ヘルスリテラシーの向上〉

  • ⑤管理職または従業員に対する教育機会の設定

〈ワークライフバランスの推進〉

  • ⑥ワークライフバランスの実現及び育児・介護の両立支援の取り組み

〈職場の活性化〉

  • ⑦コミュニケーションの促進に向けた取り組み

〈仕事と治療の両立支援〉

  • ⑧がん等の私病等に関する復職・両立支援の取り組み(⑮以外)

〈性差・年齢に配慮した職場づくり〉

  • ⑨女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  • ⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み

【従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策】

〈保健指導〉

  • ⑪保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み

〈具体的な健康保持・増進施策〉

  • ⑫食生活の改善に向けた取り組み
  • ⑬運動機会の増進に向けた取り組み
  • ⑭長時間労働の予防と事後対応
  • ⑮心の健康保持・増進に関する取り組み

〈感染症予防対策〉

  • ⑯感染症予防に関する取り組み

〈喫煙対策〉

  • ⑰喫煙率低下に向けた取り組み
  • 受動喫煙対策に関する取り組み(★)
4.評価・改善針

【健康経営の推進に関する効果検証】

  • 健康経営の実施についての効果検証(★)
5.法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)
  • 労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと など(★)

「★」はホワイト500・大規模法人部門のいずれの場合も満たすべき認定要件

「〇」はホワイト500の認定要件

「1.経営理念・方針」や「3.制度・施策実行」には①〜⑰の番号が振られている評価項目があり、部門ごとに達成すべき項目数が定められています。ホワイト500は②〜⑰のうち14項目以上、大規模法人部門は①〜⑰のうち14項目以上を達成しなければなりません。

中小規模法人部門

中小規模法人部門の2027年度の認定基準は、次のとおりです。

認定基準(中小規模法人部門)
1. 経営理念・方針
  • 健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診(◆)
2. 組織体制
  • 健康づくり担当者の設置(◆)
  • (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供(◆)
3. 制度・施策実行

【1. 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討】

〈健康課題に基づいた具体的な目標の設定〉

  • 健康経営の具体的な推進計画(□)

〈健康課題の把握〉

  • ①定期健診受診率(実質100%)
  • ②受診勧奨の取り組み
  • ③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

【2. 健康経営の実践に向けた土台づくり】

〈ヘルスリテラシーの向上〉

  • ④管理職または従業員に対する教育機会の設定

〈ワークライフバランスの推進〉

  • ⑤ワークライフバランスの実現に向けた取り組み
  • ⑥仕事と育児または介護の両立支援の取り組み

〈職場の活性化〉

  • ⑦コミュニケーションの促進に向けた取り組み

〈仕事と治療の両立支援〉

  • ⑧がん等の私病に関する復職・両立支援の取り組み(⑮以外)

〈性差・年齢に配慮した職場づくり〉

  • ⑨女性の健康保持・増進に向けた取り組み
  • ⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み

【3. 従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策】

〈具体的な健康保持・増進施策〉

  • ⑪保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
  • ⑫食生活の改善に向けた取り組み
  • ⑬運動機会の増進に向けた取り組み
  • ⑭長時間労働の予防と事後対応
  • ⑮心の健康保持・増進に関する取り組み

〈感染症予防対策〉

  • ⑯感染症予防に関する取り組み

〈喫煙対策〉

  • ⑰喫煙率低下に向けた取り組み
  • 受動喫煙対策に関する取り組み(◆)
4. 評価・改善
  • 健康経営の取り組みに対する評価・改善(◆)
5. 法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)
  • 労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと など(◆)

「◆」は小規模法人特例・中小規模法人部門のいずれの場合も満たすべき認定要件

「▢」は中小規模法人部門の認定要件

中小規模法人部門では、健康経営の具体的な推進計画に加え、次の3つを達成する必要があります。

  • ①〜③のうち2項目以上
  • ④〜⑩のうち2項目以上
  • ⑪〜⑰のうち4項目以上

小規模法人特例の申請には、推進計画と①〜③をあわせた範囲・④〜⑩・⑪〜⑰の3区分で、それぞれ2項目以上を達成しなければなりません。ブライト500・ネクストブライト1000を目指す場合は、①〜⑰のうち16項目以上の達成が必要です。

【2027年度】認定基準の主な改訂内容

2026年度以前から健康経営優良法人の認定に取り組んでいる企業の場合は、前年からの変更点に注意が必要です。2027年度は「回答負担の軽減」を基本方針に、設問の統合や、回答事項の明確化などの見直しが入りました。

主な改訂内容を2つに分けて紹介します。

認定要件にかかわる改訂

認定要件にかかわる改訂は、次のとおりです。1~5は大規模法人部門に関する改訂事項、4と5は中小規模法人部門に関する改訂事項です。

改訂ポイント
1. 自社従業員以外への健康経営の普及・浸透
  • ホワイト500の認定要件を、派遣社員等・家族への健康支援と、企業間での健康経営の普及・支援の2設問に再構成
2. 従業員への健康経営の理解・促進
  • 「経営理念・方針」と重複していた設問を整理し「組織体制」の評価項目として新設
3. 健康経営の方針等の社内外への発信
  • 必須要件の該当設問を変更
4. ワークライフバランスの実現に向けた取り組み
  • 旧「適切な働き方実現に向けた取り組み」の設問を再構成し、評価項目名を変更
5. 長時間労働の予防と事後対応
  • 予防と事後対応を一体で確認する設問へ改訂し、評価項目名を変更

設問が再構成された箇所や、評価項目名が変更された箇所があります。2026年以前にも申請書を作成した人事担当者は、2027年度の申請書の変更点を理解したうえで記入しましょう。

経済産業省の政策との連動を踏まえた改訂

2027年度は、経済産業省が推進する政策と連動した設問も新設されました。1~5は大規模法人部門に関する改訂事項、2と4は中小規模法人部門に関する改訂事項です。

改訂ポイント
1. 睡眠に関する取り組み
  • 生産性低下防止の取り組みとして確認していた項目を、独立した設問として新設
2. PHRを活用できる環境整備
  • PHR(健診結果や歩数などのライフログ)の整備状況を確認する設問を追加し、設問を両部門で統一
3. 健康投資額の確認
  • 健康投資額の実態を把握するためのアンケートを新設
4. テーマ別ベストプラクティス選定
  • 先進的な取り組みを収集・公表するためのアンケートを新設
5. ライフデザイン経営の認知
  • 経済産業省が推進する「ライフデザイン経営」の認知度を把握するためのアンケートを新設

アンケートとして新設された項目には配点がなく、認定に直接の影響はありません。しかし、認定要件にかかわる改訂と同様、変更された内容を確認し、正確に記入しましょう。

健康経営優良法人2027の申請スケジュール・認定までの流れ

健康経営優良法人2027の申請から認定までの流れは、次のとおりです。

健康経営優良法人2027の申請スケジュール・認定までの流れ
引用:第6回 健康経営推進検討会「健康経営優良法人認定事務局の活動及び申請認定に関するご報告」

申請受付は2026年8月17日に開始されました。締切は部門によって異なり、大規模法人部門が2026年10月9日の17時、中小規模法人部門が2026年10月16日の17時です。申請書はいずれも設問数が多く作成に時間がかかるため、余裕をもって準備を進めましょう。

認定申請料(税込)は、大規模法人部門が88,000円、中小規模法人部門が16,500円です。大規模法人部門にグループ企業として合算して申請する場合、合算する企業1社ごとに16,500円が加算されます。

請求書は2026年11月上旬頃に送付され、入金期限は2026年12月31日15時に設定されています。入金確認後、認定審査を経て内定・発表へ進みます。

認定を目指す場合、対応スケジュールはおおむね次のとおりです。

  • 春〜夏:健康宣言や推進体制の整備、前年度の取り組み実績の確認・集計
  • 夏〜秋(申請期間):申請書(調査票)の作成・提出
  • 冬:申請料の振込、審査の実施
  • 翌春:認定法人の発表

内定は2027年2月下旬頃、認定法人の発表は2027年3月の予定です。申請時期だけでなく、準備期間も含めてスケジュールを押さえましょう。

健康経営優良法人の認定を受けるためのポイント・注意点

認定を目指すうえで、押さえておきたいポイントは次の5つです。

  • 申請書(調査票)には申請日までの実施内容を記入する
  • 申請には時間がかかるため早めに着手する
  • 中小企業は健康宣言事業への参加が必要
  • 定期健診の受診率100%達成に向けて未受診者にフォローを行う
  • ストレスチェックの実施は50人未満の事業場も対象

それぞれ詳しく解説します。

申請書(調査票)には申請日までの実施内容を記入する

健康経営優良法人の認定は、前年4月1日から申請日までに実施した内容で判断されます。2026年8~10月に申請する2027年度分であれば、申請書(調査票)に記入するのは2025年4月1日から申請日までの実施内容です。

申請日時点で実施していない取り組みは審査の対象外です。今後の取り組み予定を記入しても、評価にはつながりません。

申請をする時点から追加で取り組みを始めて要件を満たすのは、現実的には困難でしょう。申請の前年度から取り組みを進めて実績を積み重ね、次の年の8~10月に申請するのが理想的です。

申請には時間がかかるため早めに着手する

要件に必要な取り組みや実績の積み上げ、集計、申請書の作成など、認定の申請に必要な工程は多岐にわたります。それぞれ時間と手間がかかるため、早めの着手が欠かせません。

健康経営の取り組みは、人事部門だけで完結するものではありません。健診の受診やセミナーへの参加など、従業員の協力が前提となる項目が多く含まれます。健康経営に取り組む姿勢や雰囲気を全社で醸成しておくと、申請の負担軽減にもつながるでしょう。

中小企業は健康宣言事業への参加が必要

中小規模法人部門に申請する場合、「健康宣言事業」への参加が必須条件です。健康宣言事業は協会けんぽや健康保険組合などの保険者が実施しています。加入している保険者に要件を確認し、参加しましょう。

加入している保険者が健康宣言事業を実施していない場合は、各自治体が実施する健康宣言事業への参加、または自社独自の健康宣言の実施で代替できます。いずれも手続きや認定完了に手間や時間がかかる可能性があるため、早めに取り組んでおくと安心です。

定期健診の受診率100%達成に向けて未受診者にフォローを行う

認定基準のひとつである「定期健診の受診率100%」を達成するには、未受診者を出さないための取り組みや体制づくりが重要です。受診日程の調整や未受診者への個別の声かけなど、地道な対応が必要になります。

対象人数が多くなるほど、定期健診の事務作業にかかる工数は増えがちです。ウィーメックスの健診代行サービスでは、健診予約の調整や結果の回収に加え、導入支援・進捗管理・健診機関への支払い管理までを一括でサポートしています。人事担当者の事務負担を抑えながら、定期健診の受診促進を進められます。

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ストレスチェックの実施は50人未満の事業場も対象

法律上、ストレスチェックの実施義務があるのは、現時点では従業員が常時50人以上の事業場に限られます。

一方で健康経営優良法人の認定基準には「50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施」が評価項目に含まれており、実施すれば評価対象となります。また、労働安全衛生法の改正により、2028年4月からは、50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化される予定です。

しかし、健康経営優良法人の認定要件を満たすには必要な取り組みや手続きが多く、人事担当者の負担は重くなりがちです。ストレスチェックの実施まで取り組もうとすると、対応が追いつかない場合もあるでしょう。

ウィーメックスのストレスチェックを活用すれば、実施の代行や労働基準監督署への報告に加え、結果の集団分析や職場環境の改善まで、事務作業の負担を抑えつつ進められます。人事担当者の負担軽減にお役立てください。

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健康経営を推進して健全な事業運営・企業価値向上につなげよう

健康経営優良法人の認定基準は、経営理念・方針や法令遵守など、5つの項目で構成されています。

認定を受けるには、前年度からの計画的な準備が欠かせません。定期健診の受診率向上やストレスチェックの実施など、体制づくりに時間を要する項目は、とくに早めの着手が必要です。

健康経営の取り組みが進めば、従業員が働きやすい職場づくりにつながり、企業の生産性や採用力の向上にも寄与する可能性があります。健康経営優良法人認定の申請をきっかけに、健全な事業運営と企業価値の向上を目指しましょう。

著者情報

小平ゆたか様

特定社会保険労務士/中小企業診断士/1級FP技能士/ライター

HR専門のコンテンツマーケティング「人事ライター」所属

新卒で事務職の地方公務員として勤務。経理などの経験を経た後、事業所の人事労務担当を5年間務める。 人事労務の専門性を深めたい思いから社会保険労務士試験に挑戦し、合格。現在は社会保険労務士法人にて社会保険の手続き、給与計算や労務相談を中心に、社労士実務に従事している。従業員数100人未満の中小企業から1000人以上の大手企業まで幅広く担当しており、人事労務の法律家として実務に即したアドバイスを行う。

専門性を活かした正確な知識と論理的で分かりやすい文章構成が強み。


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