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企業健康経営 人事・総務 2026.09.15 公開

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ストレスチェックの高ストレス者とは?判断基準や該当者がいた場合の対応方法を解説

ストレスチェックの重要な要素として「高ストレス者」の把握があります。強いストレスを感じている従業員を特定し、適切な対応が取れれば、メンタルヘルス不調の進行を防ぎやすくなります。パフォーマンスの低下や離職リスクの抑制にもつながるでしょう。本記事では、ストレスチェックで高ストレス者を判断する基準や点数の計算方法、高ストレス者がいた場合の対応方法、高ストレス者を発生させない予防策を紹介します。ストレスチェックを有効活用し、職場のメンタルヘルスを推進するヒントをぜひご確認ください。

※本内容は公開日時点の情報です

#業務効率化 #マネジメント

目次

高ストレス者とは?ストレスチェックで把握が重要な理由

高ストレス者とは、ストレスチェックを行った結果、ストレスの度合いが高いと判定された人を指します。厚生労働省のストレスチェック指針では、自身のメンタルの状況に関する評価点数などをもとに高ストレス者を選定するとされています。

まずは高ストレス者の把握がなぜ重要なのか、3つの観点から確認しましょう。

ストレスチェックの高ストレス者とは?判断基準や該当者がいた場合の対応方法を解説
出典:厚生労働省「ストレスチェック指針(心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針) P6」(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001676923.pdf

メンタルヘルス不調・精神疾患の発症リスク

高ストレスの状態が続くと、メンタルヘルス不調や精神疾患を発症するリスクが高まります。厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」では、ストレス反応の慢性化による影響を次のように説明しています。

ストレス反応が慢性化すると、まず活気が低下して、元気がなくなってきます。この状態が解消されずに慢性化すると、イライラや不安感を覚えるようになります。そして最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなど、いわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。

引用:厚生労働省「ストレスからくる病|こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh002/

影響が及ぶのは精神面だけではありません。ストレス反応が慢性化すると、気管支喘息や心筋梗塞など、身体面にも影響が出る可能性もあります。

労働意欲や生産性の低下・退職リスク

高ストレス状態では、集中力やモチベーションの低下が生じやすくなります。個人のパフォーマンスが落ちれば、組織全体の生産性や業績にも影響がおよぶ場合もあるでしょう。

高ストレス者の増加にともない休職者や離職者が増加すれば、人員が不足するリスクもあります。業務の負担が特定の従業員に集中しやすくなり、新たな高ストレス者を生み出す悪循環に陥る可能性もあります。

ストレスチェックにおける高ストレス者の割合と推移

高ストレス者がいる職場は珍しくありません。公益社団法人全国労働衛生団体連合会(全衛連)が公表している「全衛連ストレスチェックサービス実施結果報告書」によると、2023年は14.9%、2024年は14.6%と、高ストレス者の割合は14%台後半で推移しています。職種別では、技能職(生産工程・労務作業)の割合が高く、18%台後半です。

一方で、医師による面接指導を申し出る人の割合は高くありません。厚生労働省の調査によると、高ストレスと判定された人のうち、面接指導を申し出る人の割合が5%未満の事業場が76.8%を占めています。

申し出る割合が少ない原因の一つとして、高ストレスの判定を勤務先に知られたくない点が考えられます。面接指導を受けるよう促すなど、少しでも多くの高ストレス者が面接指導を受けられる環境づくりが重要です。

出典:全国労働衛生団体連合会「令和6年 全衛連ストレスチェックサービス実施結果報告書 P16・P18」(https://www.zeneiren.or.jp/cgi-bin/pdfdata/20250606160434.pdf

出典:厚生労働省「ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて P2」(https://www.mhlw.go.jp/content/000917294.pdf

高ストレス者の判定基準の決定方法

衛生委員会や安全衛生委員会(以下「衛生委員会等」)が設置されている場合、判定基準は衛生委員会等で調査審議し、決定しましょう。先述のストレスチェック指針では「調査票に基づくストレスの程度の評価方法及び面接指導の対象とする高ストレス者を選定する基準」を、衛生委員会等で調査審議すべき事項として挙げています。

衛生委員会等で調査審議する際は、ストレスチェック指針の考え方が参考になります。指針における高ストレス者の定義は、次のいずれかに該当する人です。

  • 調査票のうち「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者
  • 調査票のうち「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者

何点以上で高ストレス者と判定するかは企業ごとに決めなければなりません。事業場の実情をふまえて、衛生委員会等で審議しましょう。

高ストレス者判定の数値基準の決め方と点数の計算方法

高ストレス者と判定する基準に法的な定めはなく、企業が任意で決める必要があります。とはいえノウハウがなければ、独自に基準を定めるのは困難でしょう。

基準を決める際は、厚生労働省が公表している数値基準や計算方法が参考になります。数値基準の決め方と具体的な計算方法を解説します。

厚生労働省の数値基準を参考にして決める

判定基準の決め方の一つが、厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票」を使って点数を計算する方法です。

職業性ストレス簡易調査票とは、従業員自身が記入する形式のストレス調査票です。57項目の標準版と23項目の簡略版があり、次の3つの領域で構成されています。

  • 領域A:仕事のストレス要因
  • 領域B:心身のストレス反応
  • 領域C:周囲のサポート

高ストレス者を判定する際は、3領域を総合的に考慮しましょう。「心身のストレス反応」が高い者だけを選ぶなど、単一の指標のみで判定すると、メンタルヘルス不調の従業員を見落とす可能性があります。

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票 (標準版57項目)」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票 (簡略版23項目)」(https://stresscheck.mhlw.go.jp/download/material/sc23.pdf

合計点数方式を用いる方法

厚生労働省は、調査票を用いた高ストレス者の判定方法として、2つの計算方法を公表しています。1つ目が合計点数方式です。

合計点数方式は、回答した点数をそのまま合計して判定する方法です。職業性ストレス簡易調査票の回答に4〜1点を割り当て、領域ごとに合計点数を算出します。計算が比較的わかりやすく、導入しやすい点が特徴です。

領域ごとの合計点数を算出したら、企業で決めた基準に照らし、高ストレスに該当するかを確認しましょう。職業性ストレス簡易調査票(57項目)の場合、厚生労働省の設定例では、次のいずれかを満たす従業員を高ストレス者と判定しています。

  • 領域Bの合計点数が77点以上(最高点は4×29=116点)
  • 領域AとCの合算が76点以上(最高点は4×17+4×9=104点)であり、かつ領域Bの合計点数が63点以上
合計点数方式を用いる方法
出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル P43」(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001671531.pdf

素点換算表を用いる方法

2つ目は、素点換算表を用いて、尺度ごとに評価点を出す方法です。素点換算表では、職業性ストレス簡易調査票の質問項目をいくつかのまとまりごとに整理しています。計算結果を素点換算表に当てはめ、5段階の評価点を出し、高ストレス者を判定します。

素点換算表を用いる方法は、質問数による影響を排除できる点で優れている一方、計算が複雑な点がデメリットです。

厚生労働省の設定例では、次のいずれかを満たす場合を高ストレス者と判定しています。

  • 領域Bの評価点の合計が12点以下
  • 領域AとCの合算の評価点の合計が26点以下であり、かつ領域Bの評価点の合計が17点以下

例えば評価点が領域A・21点/領域B・13点/領域C・4点の場合、領域Bは12点より大きく1つ目の基準には該当しません。しかし領域AとCの合算が26点以下、領域Bが17点以下となり、2つ目の基準を満たすため、高ストレス者と判定されます。

素点換算表を用いる方法
出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル P44」(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001671531.pdf

従業員が高ストレス者だった場合の対応方法

従業員が高ストレス者だった場合の対応方法

高ストレス者と判定された従業員がいた場合、メンタルヘルス改善の支援が必要です。法令で定められた面接指導と、面接結果を踏まえた就業上の措置を解説します。

医師による面接指導

高ストレスと判定された従業員には、医師による面接指導を実施します。ただし面接指導は、本人からの申し出にもとづき実施するため、企業側で受診の強制はできません。面接指導の意義や必要性を理解してもらい、受診を勧奨しましょう。

従業員から申し出があった場合、申し出からおおむね1か月以内に面接指導を実施する必要があります。面接指導を受けやすい環境づくりも重要です。原則として就業時間内に実施し、曜日や時間帯を柔軟に設定するなど、対象となる従業員が受けやすい環境を整えましょう。

就業上の措置

面接指導を実施したあとは、医師から就業上の措置に関する意見を聴き、必要に応じて適切な措置を講じなければなりません。労働安全衛生法では、次の措置が挙げられています。

  • 就業場所の変更
  • 作業の転換
  • 労働時間の短縮
  • 深夜業の回数の減少

措置を講じる際には、あらかじめ対象となる従業員の意見を聴き、本人の了解が得られるよう話し合いましょう。措置の内容が結果的に従業員の不利益とならないようにする配慮も必要です。

管理監督者の理解も欠かせません。管理監督者の協力なしには、適切な措置の実施は困難です。従業員のプライバシーに配慮しつつ、措置の目的や内容を十分に説明しましょう。

高ストレス者にならないためには?企業が取るべき予防策

高ストレス者への対応とあわせて、高ストレス者を生まない予防策も重要です。企業が取り組みやすい予防策を2つ紹介します。

社内研修の実施・相談窓口の設置

まず取り組みたいのが、社内研修によるメンタルヘルスケアの重要性の周知です。研修を通じて日頃からセルフケアを実践するようになれば、ストレスをためたり体調を崩したりするリスクを減らせるでしょう。

従業員が悩んだとき、すぐ相談できる体制を整えることも重要です。産業保健スタッフなどの相談窓口を設置しておけば、相談したいときにすぐ相談できます。ストレスをためこみ、メンタルヘルス不調が重症化する事態を防ぎやすくなるでしょう。

セルフケアの推進方法は次の資料でも紹介しています。自社のセルフケア推進レベルがわかる資料やストレスチェックの運用例も掲載しているため、ぜひダウンロードしてご覧ください。

メンタル不調を未然に防ぐ!ストレスチェックを活用したセルフケア推進ガイド

ストレスチェックを活用した集団分析

ストレスチェックを活用した集団分析も有効です。集団分析とは、ストレスチェックの結果を部署や職種などの単位ごとに集計し、ストレスの特徴や傾向を把握する取り組みを指します。

集団分析で課題を把握し、次のような改善策を実行します。

  • 業務量の調整
  • 役割分担の見直し
  • 上司・同僚間の支援の強化

職場環境の改善を進めていけば、ストレスの少ない職場づくりにつながり、高ストレス者を出さないための予防策になるでしょう。

集団分析の詳細は関連記事で詳しく解説しています。

関連記事:ストレスチェック集団分析を活用!職場環境を改善する具体的なステップ

従業員のヘルスケアのためにストレスチェックを有効活用しよう

高ストレス者に適切に対応できれば、従業員のヘルスケアが改善され、組織全体の生産性向上にも寄与します。高ストレス者を正しく判定するためには、ストレスチェックの有効活用が欠かせません。

とはいえ、判定基準の設定から集団分析までを進めるのは負担が大きく、自社だけでは対応できないケースもあるでしょう。ストレスチェック業務を外部委託することで、高ストレス状態にある従業員を早期に把握し、必要な対応へスムーズにつなげられます。人事担当者の負担を抑えつつ、健康経営を進めやすくなる点もメリットです。

ウィーメックスの「Wemex ストレスチェック」は、高ストレス者の判定方法を素点換算方式と合計点数方式から選べます。集団分析レポートや実施者サポート、労働基準監督署への報告書作成にも対応可能です。

ストレスチェックの導入や見直しをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

メンタルヘルスサービス「Wemex ストレスチェック

※本記事は、厚生労働省ホームページおよび記事中に記載した出典記事を参考にしてウィーメックス株式会社が作成しました。


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