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企業健康経営 人事・総務 2026.04.16 公開

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ストレスチェックは会社の義務!対象者や実施の流れを解説

ストレスチェック制度は、常時50人以上の従業員を雇用する事業場に実施が義務付けられている制度です。2025年には全事業場への義務拡大を含む法改正案が成立し、対応の重要性がさらに高まっています。本記事では、ストレスチェックの目的や義務化の対象となる会社の条件や実施体制の整え方、具体的な実施手順までを網羅的に解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理

目次

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度とは、労働安全衛生法第66条の10に基づくストレスに関する検査のことです。2015年12月から、一定規模の事業場で実施が義務化されています。

近年、仕事に起因する強いストレスが原因で健康障害となり、労災認定される件数が年々増加するなど、心の健康問題が表面化してきました。これを受けて、労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防止することの重要性が増してきたという背景から、この制度が設けられています。

ストレスチェックは会社の義務!対象者や実施の流れを解説

制度の主な目的は3つあります。

  • 労働者が自分自身のストレス状態に気づくための「セルフケアの促進」
  • 高ストレス者を早期に発見し医師による面接指導につなげる「早期対応」
  • ストレスチェックの結果を部署・チームごとに集計・分析することで「職場環境の改善」を図ること

事業者は、これらの総合的なメンタルヘルスケアの取り組みの中で、個人のストレス状況や職場環境の改善を進める必要があります。従業員の生産性向上につながることも考慮したうえで、事業経営の一環として積極的にストレスチェック制度を活用していくことが望まれます。

ストレスチェックの目的については、以下の記事で詳しく解説しています。

ストレスチェックの目的と集団分析の重要性

ストレスチェックの義務化はいつから?対象となる会社の条件

ストレスチェックの義務化は2015年12月からスタートしました。現在は事業場の規模によって義務・努力義務が分かれていますが、2025年の法改正によりその区分は大きく変わろうとしています。

常時50人以上の事業場は実施が義務

常時50人以上の労働者を抱える事業場では、すべての労働者に対して年1回の実施が義務付けられています。

ここでいう「常時50人」の数え方には注意が必要です。週1日のパート労働者であっても継続雇用され、常態として使用している場合には労働者としてカウントします。雇用形態ではなく「常態として使用しているか」が判断基準になるため、人数の集計は慎重に行いましょう。

また、この義務は「会社単位」ではなく「事業場単位」で判定されます。本社は50人以上でも、支店が49人以下であれば、その支店は義務の対象外となります。

50人未満の事業場は努力義務(義務化の動きあり)

2025年5月8日、衆議院で労働安全衛生法の改正法案が可決・成立しました。これにより、従業員50人未満の事業所におけるストレスチェックの義務化が決まりました。

なお、厚生労働省の「令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」によると、労働者50人未満の事業場における、ストレスチェックの実施割合は以下のとおりでした。

事業所規模 実施割合
労働者30~49人 57.8%
労働者10~29人 58.1%

義務化の動きを受けて、今後は実施割合が向上すると考えられます。

【2025年最新】労働安全衛生法改正案で全事業場が義務化へ

「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」は2025年5月14日に公布され、ストレスチェックに関する部分は「公布後3年以内に政令で定める日」までに施行されます。そのため、遅くとも2028年5月までには全事業場での義務化がスタートする見通しです。

グループ会社や関連会社に50人未満の事業場がある場合は、今回の改正への備えも必要です。施行まで数年の猶予はあるものの、実施体制の構築・外部委託先の選定・社内規程の整備などの準備を進めておきましょう。

義務を怠った場合の罰則とリスク

ストレスチェックを実施しなかった場合、その行為自体に直接の罰則はありません。ただし、実施後に義務付けられている労働基準監督署への報告を怠った場合は、労働安全衛生法第120条に基づき、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、罰則とは別に、より深刻なリスクとして「安全配慮義務違反」が挙げられます。安全配慮義務とは、事業者が労働者の健康や安全に配慮する義務のこと(労働契約法第5条)です。ストレスチェックを実施せずにメンタルヘルス不調者への対応が不十分だった結果、重大な健康被害が生じた場合、損害賠償請求に発展するリスクがあります。

「罰則がないから実施しなくてもよい」という認識は、大きなリスクにつながります。制度の趣旨を正しく理解し、適切に運用することが重要です。

ストレスチェックの対象者

ストレスチェックの対象者は、正社員だけでなく、所定労働時間が正社員の4分の3以上で、かつ1年以上の雇用継続が見込まれるパートタイム従業員も含まれます。この基準は、一般的な定期健康診断の対象者と同じです。

ただし、労働時間が正社員の4分の3未満でも、2分の1以上であればストレスチェックの実施が推奨されています。

なお、休職中・育児休業中など実際に就労していない労働者に関しては、実施義務の対象外です(復職前の個別対応として任意実施するケースはあり得ます)。

ストレスチェックの実施体制と各担当者の役割

ストレスチェックを適切に運用するには、それぞれの担当者が自分の役割を正しく理解することが不可欠です。

実施者(医師・保健師等)の役割

実施者とは、ストレスチェックの中心的な専門職です。実施者になれるのは、医師・保健師のほか、厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士・歯科医師・公認心理師に限られます。

主な役割は、質問票の結果をもとに各労働者のストレス状態を評価し、高ストレス者を選定することです。また、面接指導が必要かどうかの判断も実施者が担います。社内に適任者がいない場合は、外部の医療機関や専門機関への委託も可能です。

なお、ストレスチェックにおける産業医の役割はこちらの記事で説明しています。あわせて参考にしてみてください。

産業医がストレスチェックを実施するメリットとは?面接指導の流れも解説

実施事務従事者の役割と選任時の注意点

実施事務従事者とは、実施者の指示のもとで質問票の回収・データ入力・結果の送付といった実務を担う担当者のことです。個人の健康情報を直接扱うため、守秘義務が課されます。

選任時に特に注意が必要なのは、人事権を持つ人物は就任できないという点です。具体的には、人事部長や労務責任者など、労働者の昇進・異動・解雇に関する権限を持つ人は実施事務従事者になれません。結果が人事評価に影響するという不信感を生まないよう、制度の公平性を担保するための規定です。

制度全体の担当者(人事・労務)が行うこと

人事・労務担当者は、制度全体の推進役として幅広い業務を担います。主な業務は以下のとおりです。

  • 衛生委員会(労働者の健康管理を審議する社内委員会)での実施方法の審議
  • 社内規程の策定
  • 年間スケジュールの管理
  • 従業員への制度周知
  • 実施後の労働基準監督署への報告書提出など

特に報告書の提出は見落としがちですが、提出を怠ると罰則の対象となります。

面接指導を担当する医師の役割

高ストレス者と判定された労働者から面接指導の申し出があった場合、医師が面接を実施します。面接では、現在のストレス状況・業務内容・労働時間などを確認し、その結果をもとに事業者へ就業上の措置(業務量の軽減・部署異動など)に関する意見を述べます。

この役割は産業医(職場の健康管理を担当する医師)が担うのが一般的です。産業医が選任されていない事業場では、外部の医師に依頼することもできます。面接指導の記録は5年間の保存義務があるため、適切な管理体制を整えておくことが必要です。

ストレスチェックの実施の流れ【5ステップで解説】

ストレスチェックは、次の流れで進められます。

  • 導入準備と社内ルールの策定
  • 質問票の配付・回答の実施
  • 高ストレス者への面接指導
  • 就業上の措置の実施
  • 集団分析による職場環境の改善

各段階について詳しく見ていきましょう。

ステップ1|導入準備と社内ルールの策定

ストレスチェック制度を円滑に進めるため、社内で運用ルールを整えることが必要です。関係者間で以下の点を十分に検討し、決定しておくことが重要です。

  • ストレスチェックの実施者
  • 実施のタイミング
  • 使用する質問票
  • 高ストレス者の選定方法
  • 面接指導を希望する際の申し出先
  • 面接指導を担当する医師
  • 集団分析の方法
  • ストレスチェックの結果の保管場所と責任者

また、制度運用には以下の役割の選定も欠かせません。

役割 詳細
制度全体の担当者 制度の設計や進捗管理を担う責任者
ストレスチェック実施者 医師、保健師、または研修修了者(看護師・精神保健福祉士など)※外部委託も可能
実施事務従事者 質問票回収や入力、結果送付など個人情報を扱う実務担当者 ※外部委託も可能
面接指導担当医師 ストレスチェック結果に基づき面接指導を行う医師

ステップ2|質問票の配付・回答の実施

ストレスチェックを実施する際は、対象者に質問票を配付し、記入してもらいます。なお、ストレスチェックは紙またはWebでの実施が可能です。

使用する質問票には決まった様式はありませんが、以下の3つの領域を必ず含める必要があります。

  • ストレスの原因に関する質問項目
  • ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目
  • 従業員に対する周囲のサポートに関する質問項目

これらを満たしていれば、企業が独自に作成した質問票を使用することも可能です。また、厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を利用することもできます。

ステップ3|高ストレス者への面接指導

ストレスチェックの結果に基づき、「医師による面接指導が必要」と判断された従業員から申し出があった場合、企業は医師による面接指導を実施しなければなりません。

面接指導では、医師が従業員のストレス状況や業務内容、勤務時間などを詳しく確認し、必要に応じて就業上の措置について意見を述べます。この意見は、従業員の健康を守るための具体的な改善策につながります。

面接指導の申出期限と実施期限

面接指導の申し出期限は、ストレスチェックの結果通知から1ヶ月以内と定められています。

申し出を受けた事業者は、その後1ヶ月以内に医師による面接指導を実施しなければなりません。期限を過ぎると法令違反となるため、結果通知の際に従業員へ期限を明示することが重要です。

面接指導結果の保存義務(5年間)

面接指導を実施した後は、その記録を5年間保存する義務があります。保存すべき内容は、面接指導の実施日時・対象者・担当医師の意見などです。

紙・電子いずれの形式でも保存できますが、閲覧権限の設定やアクセス管理など、情報漏えいを防ぐ適切な管理体制を整えておくことが求められます。

ステップ4|就業上の措置の実施

面接指導を実施した後、医師から就業上の措置に関する意見を面接指導から1ヶ月以内に聴取し、その内容に基づいて必要な対応を講じなければなりません。

たとえば、以下のような措置が挙げられます。

  • 労働時間の短縮、出張や時間外労働の制限
  • 労働負荷の軽減、作業内容や就業場所の変更
  • 深夜業務の回数削減、または日中勤務への転換
  • 療養のため一定期間の休暇や休職

これらの措置は、従業員の健康状態や業務内容を考慮しながら実施されます。また、措置を講じる際には、本人の意向を尊重し、不利益な取り扱いがないよう配慮することが求められます。

ステップ5|集団分析による職場環境の改善

ストレスチェック実施後は、一定の単位で集団ごとのデータを集計・分析し、職場のストレス状況を可視化します。

たとえば、部門や課、チームなどのグループごとに質問項目の平均値を算出し、集団間で比較することで、どの職場にどのようなストレス要因が存在しているかを把握できます。

ただし、対象者が10人未満の場合、個人が特定されるリスクがあるため、集計結果を提供するには全員の同意が必要です。そのため、原則として10人以上のグループを対象にします。

集団分析の具体的な手順や職場環境改善への活用方法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

ストレスチェック集団分析を活用!職場環境を改善する具体的なステップ

ストレスチェックを実施する際の注意点

ストレスチェックを実施する際の注意点

制度を正しく運用するには、法令上のルールを守るだけでなく、従業員が安心して受検できる環境を整えることが重要です。特に見落としがちな3つのポイントを押さえておきましょう。

1.プライバシー保護と守秘義務を徹底する

ストレスチェック制度の導入・運用にあたっては、従業員の個人情報を厳格に管理することが求められます。

ストレスチェックの実施者およびその補助業務を担う実施事務従事者には、法律で守秘義務が課されており、違反した場合には刑罰の対象となります。また、ストレスチェック結果や面接指導の所見などの個人情報は、企業に提供された場合でも、その取り扱いには十分注意が必要です。情報共有は業務上必要な範囲内に限定し、第三者への漏えいがないよう厳重に管理します。

さらに、データ管理をシステムで行う場合は、アクセス制限や暗号化などの措置を講じることで情報漏えいリスクを最小限に抑えることが重要です。

2.労働基準監督署への報告を忘れずに行う

ストレスチェックを実施した後は、所轄の労働基準監督署に「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を1年以内に提出しなければなりません(労働安全衛生規則第52条の21)。

この報告を怠った場合、または虚偽の報告をした場合は、労働安全衛生法第120条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。

3.ストレスチェックに関して従業員に不利益な行為を行わない

ストレスチェック制度は、従業員の心の健康を守るための制度であり、本人の意思が尊重されることが前提です。そのため、以下のような理由で従業員に対して不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。

  • 医師による面接指導を受けたい旨の申し出を行ったこと
  • ストレスチェックを受けないこと
  • ストレスチェック結果の企業への提供に同意しないこと
  • 医師による面接指導の申し出を行わないこと

また、面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、不当な動機や目的による配置転換や職位の変更を行うことも禁止されています。

こうした不利益な取り扱いを避けることで、従業員が安心して制度を利用できる環境が整います。ストレスチェック制度の本来の目的は、職場全体のメンタルヘルス向上と早期の問題発見にあります。その目的を損なわないよう、公正かつ適切に制度を運用する責任が企業には求められます。

ストレスチェックを効率化するなら外部サービスの活用がおすすめ

ストレスチェックの実施には、専門知識を持つ人材の確保から結果管理まで、幅広い対応が求められます。効率的に運用するには、外部サービスの活用が有効です。

外部委託で人事・労務担当者の負担を軽減できる

ストレスチェックを自社で完結しようとすると、実施者・実施事務従事者の確保、質問票の準備・回収・データ入力、高ストレス者への対応、集団分析レポートの作成など、多くの工数が発生します。

外部サービスに委託することで、これらの業務を大幅に削減できます。また、社内の人事担当者が結果を扱わない体制をつくることで、従業員が安心して受検しやすくなり、受検率の向上も期待できます。

本来注力すべき職場環境の改善や従業員フォローに、リソースを集中させられる点も大きなメリットです。

ストレスチェックサービスを選ぶ際のポイント

外部サービスを選ぶ際は、以下のポイントを比較検討しましょう。

受検手段の多様さはまず確認すべき点です。Web受検だけでなく、紙や多言語対応が可能かどうかを確認しましょう。外国籍従業員が多い事業場では特に重要です。

委託範囲とフォロー体制も重要です。質問票の配付から集団分析レポートの作成、高ストレス者への面接指導の手配まで、どこまでサポートしてもらえるか確認しておきましょう。

セキュリティ面では、プライバシーマーク(Pマーク)の取得有無など、個人情報の管理体制を必ず確認することをおすすめします。

Wemex ストレスチェックの特長と導入メリット

ウィーメックスが提供する「Wemex ストレスチェック」は、はじめて導入する企業でも安心して活用できるサービスです。英語での受検に対応しているため、外国籍従業員が在籍する事業場でもスムーズに実施できます。

また、ストレスチェックの結果をもとに生成AIによる個別化アドバイスと学習動画を配信することで、従業員のセルフケアを促進します。

さらに、充実した集団分析機能により、部署ごとのストレス傾向や課題を可視化し、職場環境改善の具体的なアクションにつなげられます。導入後も専任スタッフによる伴走支援が受けられるため、運用面での不安を解消しながら制度を継続的に活用することが可能です。

ストレスチェックの導入や見直しをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

メンタルヘルスサービス「Wemex ストレスチェック

まとめ

ストレスチェック制度は、従業員の心の健康を守り、働きやすい職場環境を築くために欠かせない取り組みです。正しい方法で実施することで、個人が自分のストレスに気づくだけでなく、職場全体の改善にもつながります。

従業員一人ひとりがいきいきと働ける職場を目指すうえで、ストレスチェックの適切な実施は欠かせません。ストレスチェックは、メンタルヘルス不調の早期発見や予防だけでなく、職場環境改善の重要な手段として位置づけられています。従業員と企業双方にとって有益な制度として、その目的を理解し、公正かつ適切に運用していきましょう。


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