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  5. 健康診断の受診率を高める対策|従業員が受診しない理由と効果的な健康管理

企業健康経営 人事・総務 2026.02.03 公開

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健康診断の受診率を高める対策|従業員が受診しない理由と効果的な健康管理

健康診断の受診率が伸び悩み、「未受診の従業員への対応に困っている」という担当者も多いのではないでしょうか。受診率を上げるには、まず従業員が受診をためらう理由を理解し、的確な対策を講じることが重要です。本記事では、主な未受診の原因と効果的な改善策をわかりやすく紹介します。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理

目次

健康診断の受診率の現状

まずは、官公庁が公表しているデータから健康診断の受診状況を確認してみましょう。

令和4年度の厚生労働省の国民生活基礎調査では、20歳以上で健康診断などを受けていない人は全体の約3割にのぼります。また、厚生労働省の令和6年定期健康診断実施結果(年次別)の集計では、有所見率は年々上昇しており、直近では受診者のうち約6割に何らかの所見が認められています。 こうしたデータから、未受診者の中にも健康リスクを抱える人が一定数存在すると考えられます。

健康診断の受診率を高める対策|従業員が受診しない理由と効果的な健康管理

健康診断の受診率の傾向

次に、事業所の規模や雇用形態による受診率の違いを見てみましょう。

平成24年「労働安全衛生特別調査(労働者健康状況調査)」(同年をもって廃止)によると、事業所単位での実施率は91.9%であるのに対し、常用労働者単位では81.5%と約10ポイントの差が見られます。

企業規模別では大企業よりも中小企業のほうが受診率が低く、雇用形態別では正社員よりもアルバイト・パートタイム労働者の受診率が低い傾向があります。

これは、規模の小さい企業ほど健診実施体制が整っていないことや、アルバイト・パートタイム労働者については労働条件によっては法的に受診義務が課されない場合があることが背景として挙げられます。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0002041012
政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00450211&stat_infid=000040326427
厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001492019.pdf
厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h24-46-50_05.pdf

従業員が健康診断を受診しない理由

健康診断を受診しない理由は人によってさまざまです。令和4年「国民生活基礎調査」によると、従業員が健康診断を受診しない主な理由と、その回答人数・割合は以下のとおりです。

理由 回答人数 割合(※1)
心配な時はいつでも健診機関を受診できるから 10,280 36.5%
時間がとれなかったから 5,207 18.5%
毎年受ける必要性を感じないから 3,057 10.9%
費用がかかるから 2,976 10.6%
健康状態に自信があり、必要性を感じないから 2,129 7.6%
結果が不安なため、受けたくないから 1,426 5.1%
検査等(採血、胃カメラ等)に不安があるから 1,020 3.6%

※「令和4年国民生活基礎調査」(厚生労働省)を加工して作成
※1 健康診断の未受診者数(28,136人)を基に算出。小数点第2位を四捨五入

それぞれの背景を解説します。

心配な時はいつでも健診機関を受診できるから

最も多かった理由がこの回答です。「体調に異常を感じた際に受診すれば十分」と考えている人が多いと推測されます。しかし、生活習慣病やがん、循環器疾患の多くは、初期段階では自覚症状がないまま進行することがあります。症状をきっかけに受診した時には、すでに病状が進行していることも珍しくありません。

予防医療や早期発見、重症化予防のためにも、定期的な健康診断が欠かせません。

時間がとれなかったから

2番目に多かった理由は「時間不足」です。多くの健診機関では、受付が平日の日中に限られています。そのため、業務が多忙だったり、休暇を取りにくかったりして、受診のタイミングを確保できない人が少なくありません。

企業側が休日や時間外でも受診できる仕組みを整えることが、受診率向上の鍵となります。

毎年受ける必要性を感じないから

3番目は「去年受けたから、今年は必要ない」という考え方をする人も多いようです。しかし、企業には労働安全衛生法に基づき、健康診断を実施する義務があり、従業員にも受診の義務があることを、企業側が理解しておく必要があります。

また、健康診断は毎年受診することで、過去の結果と比較しながら健康状態の変化に早期に気づくことができ、生活習慣病の見直しや予防行動につなげることができます。

費用がかかるから

健康診断を受診する際には、費用負担があると考えている人も多いようです。定期健康診断の基本的な費用は企業が負担しますが、オプション検査や再検査、人間ドックの費用、健診機関までの交通費などは自己負担となる場合があります。

そのため、受診にあたって追加で費用がかかることも少なくありません。こうした負担を軽減するために、企業が希望の多い検査項目に対して補助制度を設けるなど、受診しやすい環境を整えることが効果的です。

健康状態に自信があり、必要性を感じないから

10%以下の少数意見について見てみましょう。自身の健康に自信を持ち、健康診断の必要性を感じていないというケースも一定数見られます。とくに若年層など、不調を感じていない人ほど「今は健康だから問題ない」と考えがちです。

しかし、健康診断では自覚症状がない段階でも、検査数値の変化など目には見えない小さな変化を把握することができます。自覚症状が出る前に異常を見つけるためにも、定期的な健康診断は欠かせません。

結果が不安なため、受けたくないから

「病気が見つかるのが怖い」「結果を知りたくない」といった心理的不安が背景にあります。病気が判明することで生活習慣の見直しや治療を迫られることへの抵抗感も関係していると考えられます。

企業としては、健康診断の目的を「罰則や評価」ではなく「サポート」だと伝える姿勢が大切です。

検査等(採血、胃カメラ等)に不安があるから

検査そのものへの不安を理由に受診を避ける人も一定数います。採血の痛みや胃カメラの不快感など、身体的な負担への懸念に加え、検査結果や個人情報の管理に不安を感じる場合もあります。

従業員が安心して健診を受けられるよう、健診機関の対応体制や情報管理についての周知を進めることが重要です。

健康診断の受診率を高める対策

健康診断の受診率を高める対策

健康診断の受診率を上げるには、従業員への継続的な働きかけが欠かせません。ここでは、効果的な3つの取り組みを紹介します。

従業員全員が重要性を理解できる工夫をする

受診率向上の第一歩は、従業員一人ひとりが健康診断の重要性を正しく理解することです。未受診の理由は人それぞれ異なるため、個人面談などで背景を丁寧に把握しましょう。

そのうえで、生活習慣病など多くの疾患は初期症状が出にくく、放置すれば心筋梗塞や脳卒中など重篤な疾患につながること、定期的な健診で早期発見・重症化予防が可能になることを具体的に伝えます。

また、健診結果をわかりやすく伝える外部サービスの活用も有効です。

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健康診断の目的や受診メリットを伝える

健康診断の目的や受診のメリットを明確に伝えることは、受診率向上に欠かせません。とくに次の3点を意識して説明しましょう。

  • 病気の早期発見
    健診は病気の早期発見と生活習慣の見直しにつながる重要な機会です。「体調が悪くなったら受診すればよい」という考えでは、異変に気づくのが遅れる可能性があります。
  • 継続的な健康管理
    毎年受診することで、健康状態の変化を把握できます。定期的なモニタリングにより、重大な疾患の発症リスクを抑えることが可能です。
  • プライバシーの保護、人事評価との分離
    健診結果は法令で保護され、人事担当者など限られた者しか閲覧できません。また、人事評価への反映は禁止されています。こうした仕組みを周知することで、「不利になるのでは」という不安を軽減できます。

物理的な受診ハードルを取り除く

心理面だけでなく、受診を妨げる物理的なハードルを解消することも重要です。従業員が健康診断を受けやすくするために、次のような取り組みが効果的です。

  • 費用の全額負担・補助制度の導入
  • 業務時間や日程の柔軟な調整
  • アクセスしやすい健診機関の選定
  • 予約手続きの簡略化
  • 福利厚生を通じた健康意識の向上

費用や時間、手間などの負担を減らすとともに、法定項目の健診費用は原則として従業員に負担がないことを明確に伝えることで、安心して受診できる環境を整えられます。小さな改善の積み重ねが、最終的な受診率向上につながります。

健康診断に関する福利厚生を強化する

受診率を高めるには、福利厚生制度の充実も効果的です。とくに、オプション検査や人間ドックへの費用補助は、従業員の受診意欲の向上が期待できます。

労働政策研究・研修機構の調査「わが国の福利厚生の導入と利用の実態とその諸要因、そして有効性の検証」では、「人間ドック受診の補助」がすべての雇用形態で最も必要とされる制度に選ばれています。健康意識を直接高める施策として高いニーズがあることがわかります。

さらに、ジム法人契約やヘルスケアアプリの導入など、日常的に健康管理を促す環境づくりも有効です。こうした取り組みが、健診受診への関心やモチベーション維持につながっていくでしょう。

健康診断を福利厚生として取り入れる具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:健康診断を福利厚生費で計上する条件と方法|人間ドックの費用負担は?

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構ホームページ(https://www.jil.go.jp

健康診断代行サービスを活用する

外部の健康診断代行サービスを利用することは、受診率向上の有効な手段です。主な効果は次のとおりです。

  • 事務負担の軽減
    健診機関との契約や結果集計を一括委託でき、人事担当者の業務を大幅に効率化できます。空いた時間を、受診勧奨や健康施策の強化に充てられます。
  • 受診フォローの自動化
    予約状況の可視化や未予約者への自動リマインドなど、システムによるフォローが可能です。多忙な従業員にも効率的に受診を促せます。
  • 未受診者対応の効率化
    データを一元管理することで、未受診者の把握や進捗管理が容易になります。専門機関から改善提案を受けることも可能です。
  • プライバシー保護の信頼性向上
    外部機関が健診結果を扱うことで、従業員の安心感と信頼性が高まります。

まとめ

健康診断の受診率を高めるには、従業員の心理的・物理的なハードルをなくすことが重要です。しかし、人事担当者には健診関連の事務負担が重く、受診勧奨まで手が回らないケースもあります。

ウィーメックスの健診代行サービスなら、事務手続きから未受診者フォローまで一括対応が可能です。業務効率化と受診率向上を両立する手段として、活用を検討してみてください。


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