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企業健康経営 人事・総務 2026.01.29 公開

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健康経営戦略マップの作成方法を徹底解説!メリットと成果を高めるポイント

健康経営®の実践は、従業員の健康維持だけでなく、企業の生産性やイメージ向上にも大きく寄与します。しかし、施策を計画的に進めなければ十分な効果は得られません。そこでカギとなるのが「健康経営戦略マップ」の作成です。本記事では、戦略マップの具体的な作成手順、活用するメリット、成果を最大化するポイントを詳しく解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理

目次

健康経営戦略マップとは

健康経営戦略マップは、企業が健康経営の施策を体系的かつ効果的に進めるための計画書です。健康経営の目的や具体的な施策内容、数値目標とする指標などを整理・可視化することで、現状から目標までのプロセスを明確にします。経営層や人事部門、現場担当者が共通認識を持ちやすくなり、健康経営を組織的に推進するための指針として機能します。

経済産業省では、健康投資管理会計において4つのドキュメントの作成を推奨しており、そのうちの1つが健康経営戦略マップです。

健康経営とは、従業員の健康管理を経営戦略の一環として位置づけ、健康維持・増進のための取り組みを継続的に実践していく考え方を指します。

健康経営戦略マップの作成方法を徹底解説!メリットと成果を高めるポイント
関連記事:健康経営とは?注目される背景やメリットと課題、今後の展望を解説

健康経営戦略マップの4つの構成要素

健康経営戦略マップは、大きく4つの要素で構成されています。ここでは、それぞれの構成要素について詳しく見ていきましょう。

従業員の健康に関わる経営課題

企業が抱える経営課題のうち、従業員の健康問題を通じて解決・達成したい内容を明確にします。

たとえば、健康診断の結果が全体的に悪化しているケースや、メンタルヘルス不調による休職者が多いといった課題が見られる場合があります。その場合は、健康状態の変化が業務パフォーマンスなどにどのように影響しているかを把握したうえで、改善すべき課題を経営課題として設定していくことが重要です。

健康経営における目標・KGI

健康経営の取り組みで最終的に実現したい目標を設定します。この際、定量的に測定できる指標に落とし込むことが重要です。

たとえば、健康診断受診率、ストレスチェック実施率、休職率、欠勤率などの数値を目標に設定できます。これにより、目標達成の進捗や課題を客観的に評価できるようになります。

健康投資を行う施策

設定した目標を達成するために、どのような健康投資施策を実施するのかを明記します。

たとえば、生活習慣の改善を目的とした健康セミナーの開催、社内健康アプリの導入、社内イベントでの運動機会の提供などが挙げられます。従業員のニーズや企業の予算状況を踏まえ、現実的かつ効果的な施策を設計することが大切です。

施策の取り組みと効果におけるKPI

施策が計画通りに進み、効果が得られているかを把握するために、あらかじめKPIを設定します。以下の2つを中心に検討します。

施策の取り組みにおける指標

健康投資施策の実施状況を客観的に評価するための指標を設けます。

具体的には、健康セミナーの実施回数、社内イベント開催数、特定保健指導の実施率などが指標となります。これらに問題がなければ、施策そのものは適切に実行されていると判断できます。

この段階では従業員の参加状況による影響は受けず、企業側の取り組み内容を評価するためのものです。

従業員の意識変容・行動変容における指標

次に、実施した施策に対する従業員の行動変化を測定します。

例として、保健指導の継続率、社員食堂での健康メニュー選択率、喫煙率の低下、運動習慣の改善などがあります。これらはアンケートや健康診断結果をもとに把握します。

この指標群は、最終目標に至る前の中間的な成果を示すものとして位置づけられます。

健康経営戦略マップ作成の3ステップ

健康経営戦略マップの作成は、「施策(推進計画)」「戦略」「目的を明確化」の3つのステップに分けて進めることができます。それぞれのステップで実施すべき内容を整理して見ていきましょう。

健康経営戦略マップ作成の3ステップ

「健康経営ガイドブック」(経済産業省)
https://kenko-keiei.jp/wp-content/uploads/2025/03/guidebook2025_03.pdf)を加工して作成

健康に関わる経営課題と目的の明確化(目的を明確化)

まず、健康に関わる経営課題と目的を明確にして記載します。この部分は健康経営戦略マップの上層に位置づけられる重要な要素であり、最終的なゴールといえます。健康経営を通じてどのような状態を目指すのか、中長期的な視点で整理することがポイントです。

具体的には、生産性向上やメンタルヘルス不調の予防、健康リスクの低減などが挙げられます。また、策定は人事部門だけで完結させず、経営層のコミットメントを確保することも欠かせません。

健康課題の現状把握・分析(戦略の前提整理)

次に、従業員の健康状態や社内の現状を把握します。健康診断やストレスチェックの結果を分析すれば、データをもとに客観的な評価が可能です。休職者数の推移も押さえておくべき重要な指標です。

さらに、運動習慣や食生活に関する実態を把握するには、アンケート調査の実施も有効です。こうした現状分析に基づき、自社の健康課題を明確にしてマップ中央の「戦略」ブロックに反映します。

施策内容と解決したい健康課題の設定(施策〈推進計画〉)

健康課題が整理できたら、最終目標や従業員ニーズ、予算などを踏まえて施策内容と指標を設定します。この部分はマップの下層に位置し、ゴールに至るための具体的な手段となります。

設定すべき指標には、すでに説明した通り次の指標を設定します。

  • 従業員の意識変容・行動変容を評価する指標
  • 施策の実施状況を評価する指標
  • 目標達成度を評価する指標

なお、目標達成度の評価には、最終目標設定時に用いた指標を使用します。

具体的な目標を設定(目的~戦略~施策をつなぐ)

健康経営のKGI達成に向け、施策状況・行動変容・最終的な健康指標の3段階でKPIを設定します。各段階の指標を一貫したロジックでつなぐことで、「目的(経営課題・KGI)」と「戦略」「施策(健康投資)」の関係性をストーリーとして明確にできます。

施策取り組み状況に関する指標(施策)

健康教育や運動促進、メンタルヘルス対策などの参加率・利用率・満足度などで施策実施状況を把握します。施策ごとに対応するプロセス指標を定め、定期的にモニタリングできる形にします。

従業員の意識・行動変容に関する指標(戦略)

禁煙継続率、運動習慣者比率、睡眠や食習慣、長時間労働・有給取得状況などの変化を測定します。健診やアンケートを活用し、年1回以上の頻度で定量的に変化を確認します。

健康関連の最終的な指標(目的を明確化)

プレゼンティーイズムやアブセンティーイズム、ワーク・エンゲイジメントなどの生産性を測る指標を設定します。必要に応じて、従業員の健康状態を測る指標なども組み合わせ、最終目標であるKGIの達成状況の評価を行います。

健康経営戦略マップの活用方法

健康経営戦略マップの活用方法

健康経営戦略マップを作成したあとは、最終目標の実現に向けてどのように活用するかが重要です。ここでは、健康経営戦略マップを効果的に活用するためのポイントを紹介します。

健康問題や施策を体系的に整理

健康経営戦略マップを見ることで、自社の健康課題と実施予定の施策を体系的に整理できます。各項目の相関関係も一目で把握できるため、施策の進捗管理や今後の方針検討にも活かせます。さらに、定期的な検証や従業員への説明資料としても有用です。

マップを通じて課題と施策のつながりを可視化することで、健康経営全体の方向性を共有しやすくなります。

経営陣と人事担当者との連携強化

健康投資に関する方針で、経営陣と人事担当者の間に認識のずれが生じるケースもあります。その際、健康経営戦略マップが有効です。経営陣へ共有することで、課題や施策の全体像を明確に示し、共通認識を形成できます。

また、施策の提案や予算確保の場面でも、データとロジックに基づいた説明ができるため、経営層の理解を得やすくなります。

健康経営優良法人の認定に活用

健康経営優良法人制度は、健康経営に取り組む企業のうち、とくに優れた取り組みを実践している企業を認定する制度です。社会的な信頼や企業価値の向上につながるため、多くの企業が認定取得を目指しています。

実際に、認定審査項目の中には健康経営戦略マップに関する設問が含まれています。マップを作成しておくことで、認定取得時に有利となるだけでなく、健康施策の実効性を高めるうえでも活用できます。

健康経営戦略マップを作成する際の注意点

健康経営戦略マップを作成しても、内容次第では十分な効果が得られない場合があります。ここでは、作成時に注意すべきポイントを整理して解説します。

実現可能性を考慮する

マップに記載する目標は、実現可能性を考慮した内容にすることが重要です。現実的でない目標を掲げてしまうと、従業員のモチベーションが下がり、施策の推進力を失う恐れがあります。

過度に大きな目標ではなく、段階的に達成できる小さな目標を設定することで、成功体験を積み重ねながら最終的なゴールへと着実に近づけます。

従業員の行動とそれによる結果は分けて考える

施策によって生じる「従業員の行動」と「その結果(成果)」は分けて評価する必要があります。行動とは、社内イベントへの参加や研修受講などの実施状況を指し、結果とは健康診断結果の改善や生産性向上などです。

行動に関する指標は短期的効果を、結果に関する指標は中期的効果を測るものです。この2つを混同すると、施策の効果を正しく分析できなくなります。

各項目の関連性やストーリーを捉える

マップ内の各項目は、相互に関連づけてストーリーとして捉えることが大切です。個別に切り離して考えると、マップ全体の整合性が失われ、十分な効果を発揮できません。

また、健康経営戦略マップは作成して終わりではなく、PDCAを回して継続的に改善することが重要です。その際も、ストーリー性を意識して全体像を見直しましょう。

健康経営戦略マップの成果を高めるためのポイント

健康経営戦略マップの効果を最大化するために、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

定期的に評価を実施する

設定した指標に基づいて、定期的に実績を集計・分析しましょう。これにより、現状の施策が計画通りに進んでいるかを把握できます。

目標を達成している場合は施策を継続し、未達の場合は原因を明確にして改善策を検討します。定期的な評価は、健康経営の改善サイクルを回すうえで不可欠です。

状況の変化に応じて内容を見直す

マップ作成から時間が経過すると、社内環境や従業員の状況が変化することがあります。当初の前提条件が崩れた場合は、内容を見直すことが重要です。

内部要因だけでなく、法改正や社会的トレンド、新たな健康課題の出現といった外部要因にも柔軟に対応することで、常に実効性の高い施策を維持できます。

従業員の主体的な参加を促す

健康投資の成果を高めるには、人事部門だけでなく従業員自身の主体的な参加が欠かせません。

そのためには、施策の目的や従業員にとってのメリットをわかりやすく伝え、理解を深めることが必要です。施策内容に従業員の意見や要望を反映させれば、参加意欲や健康意識の向上にもつながります。

まとめ

健康経営の施策は、目標を明確に設定したうえで計画的に実施することが不可欠です。そのための指針となるのが、健康経営戦略マップです。経営陣との連携を強化できるほか、健康経営優良法人の認定取得にも活用できるなど、活用価値は高いといえます。健康経営の成果は、戦略マップの作成とその運用にかかっているでしょう。

ウィーメックスは、健診代行やストレスチェックなど、従業員の健康管理業務を効率化するアウトソーシングサービスを通じ、企業の健康経営を力強くサポートします。ぜひこの機会にご相談ください。

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。


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