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企業健康経営 人事・総務 2025.11.27 公開

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Z世代の特徴を徹底解説!仕事に対する価値観、ストレス耐性も紹介

Z世代は、デジタルネイティブとしてSNSを活用し自己表現を行い、社会とのつながりを重視する世代です。本記事では、Z世代ならではの仕事に対する価値観やストレスとの向き合い方を解説します。これからの企業を支えるZ世代の特徴を理解し、若手社員の力を最大限に引き出していきましょう。

※本内容は公開日時点の情報です

#労務管理

目次

Z世代とは?

2025年の日本の労働市場では、Z世代が主力となる時代が到来しています。採用や育成の現場でも、これからの組織を支える中心的な存在として期待されています。

組織において重要な役割を担う一方で、世代の異なる従業員が共に働く職場では、価値観や働き方の相違が要因となり、組織に悪い影響をもたらすことも少なくありません。仕事に対する価値観は、生まれ育った時代背景や環境によって大きく変化するものです。Z世代を理解するために、まずは定義と彼らが育ってきた環境について確認しましょう。

Z世代とは?

Z世代の定義

厳密な定義はないものの、一般的にZ世代とは1990年代半ばから2010年頃に生まれた人々を指します。2025年現在では、おおよそ15歳から30歳の年齢層にあたります。

Z世代以前には、X世代やY世代(ミレニアル世代)と呼ばれる層があり、世代ごとに特徴があります。X世代とY世代の概要は以下の通りです。

世代 年代 時代背景
X世代 1960〜1970年代 バブル世代や団塊ジュニア、高度経済成長期を経験した世代。経済発展を背景に、「努力は報われる」という価値観を持つ傾向があるとされています。
Y世代
(ミレニアル世代)
1980〜1990年代前半 就職氷河期やゆとり教育の影響を受け、インターネットやデジタル機器の普及とともに育った世代。他世代に比べ、楽観的で理想主義的な傾向を示すとされています。

Z世代が育った環境

Z世代は生まれた時点ですでにインターネットが普及しており、「デジタルネイティブ世代」と呼ばれます。デジタルツールへの抵抗がなく、日常の一部として自然に使いこなすのが特徴です。

そのため、情報収集の中心はテレビや雑誌からインターネットへと移り、多様な価値観や文化に触れる機会が増加しました。SNSの普及によりコミュニケーションの在り方も変化し、オンラインでの交流が盛んになりました。

一方、Z世代が育った時代は経済が低迷し、社会が不安定な状況でした。さらに新型コロナウイルス感染症のパンデミックも経験し、働き方やライフスタイルへの意識が大きく変化したと言えます。

Z世代の特徴

Z世代の定義や育った環境を踏まえ、「Z世代の特徴」について解説します。

インターネットやSNSで情報収集

情報収集の方法にも、Z世代ならではの傾向が見られると言われています。テレビや雑誌よりも、必要な情報を効率的に得られるインターネットを中心に活用する傾向があり、検索エンジンだけでなく、SNSや動画共有サービスを利用する人も多いようです。とくに、YouTube、TikTok、Instagram、Xなどを目的に応じて使い分け、関心のある情報やリアルタイムの話題にアクセスする傾向が見られます。

タイパ・コスパ重視

Z世代は効率を重視する傾向が強く、仕事や学習だけでなく趣味においても「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「コスパ(コストパフォーマンス)」を意識します。短時間で成果を得ることを好み、動画コンテンツの視聴でも長尺よりもショート動画を選ぶなど、効率的に情報や娯楽を得ようとする姿勢が見られます。

多様性と自分らしさを尊重

多様な情報や価値観に触れながら育ったZ世代は、他人の考え方やライフスタイルを尊重する傾向があります。学校教育ではSDGsやLGBTQなど多様性や公平性について学ぶ機会も多く、社会課題や人権に対して敏感です。他者を尊重するだけでなく、自分らしさや個々の価値観を大切にする姿勢も、Z世代の大きな特徴となっています。

失敗への不安と回避志向

日本経済の長期的な停滞期「失われた30年」の影響を受け、Z世代は保守的・安定志向が強いと言われています。そのため、新しいことへの挑戦や失敗のリスクが伴う行動には慎重になりやすく、リスクを回避する傾向も見られるのが特徴です。

Z世代の仕事の価値観

Z世代は、経済や社会の大きな変化の中で育った世代です。そのため、仕事に対する考え方にも従来の世代と異なる傾向 が見られます。具体的にどのような仕事観を持っているのか、代表的な傾向をご紹介します。

1. 安定志向だが転職には柔軟

Z世代は安定志向が強い一方で、以前のような「終身雇用ありき」の意識は低いと言われています。自分に合わない職場に無理してとどまることは望まず、多様な情報に囲まれて育った背景から、「選択肢の中から自分に合うものを選ぶ」という価値観を持った方々が多い世代と言えるでしょう。仕事内容や社風に違和感を覚えた際は、より適した環境を求めて転職に踏み切る柔軟さを持っていると考えられます。

2. スペシャリスト志向

経済の停滞や雇用不安を身近に感じて育ったZ世代は、将来への備えとして専門的なスキルや資格の取得を重視する傾向があると言われています。企業依存ではなく「自分の力で生き抜く」ための武器として専門性を高めるケースも見られ、ゼネラリストよりも特定分野で価値を発揮できるスペシャリストを志向する人が多い点が特徴とされています。

3. 承認欲求とフィードバック重視

多様な価値観の中で育ったZ世代は、自分の考えや個性を尊重されることを強く求める傾向があると言われています。SNSではフォロワー数や「いいね」など他者評価が可視化されることも多く、承認欲求が高い傾向も見られます。仕事面でも、曖昧な評価や一方的な叱責ではなく、公平で具体的なフィードバックを求め、自信やモチベーションを高めて成長していきたいと考える人が多いようです。

4. 成長できる環境にこだわる

Z世代は「成長」や「自己実現」を働く目的と結びつける傾向があると言われています。スキルアップやキャリア形成につながる環境を重視し、挑戦できる機会やフィードバック体制の充実を求める傾向が見られます。成長実感が得られないと感じた場合は早期離職を選ぶケースもあるため、企業が成長機会をどの程度提供できるかが、定着率向上の鍵になると考えられます。

5. 社会貢献や意味ある仕事に価値を感じる

日本労働組合総連合会「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」(連合調べ)によれば、Z世代の約9割が何らかの社会課題に関心を持っていることが分かっています。これは、幅広い情報に触れてきた経験や、当事者として課題に直面する機会が多い背景によるものと考えられます。

また、同調査によると、Z世代は仕事選びの際にも「企業の社会貢献」や「仕事が自分の価値観に合うか」を重視する傾向が見られます。単なる収入源としてではなく、社会的な意義や自分らしい生き方につながるかどうかを重要な判断要素とする傾向があるとされています。

出典:日本労働組合総連合会(連合)「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」(2022年3月3日)(https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20220303.pdf

Z世代はストレス耐性が低い?

Z世代はストレス耐性が低い?

「Z世代はストレスに弱く、すぐに離職する」という意見を耳にすることがあるかもしれません。しかし、こうした見方は働き方や価値観の違いを十分に理解しないまま語られることが多く、必ずしもZ世代のストレス耐性が低いと断定することはできません。背景には、時代に根ざした価値観の違いが存在していると考えられます。

例えば、コロナ禍の影響を大きく受けたZ世代は、授業のオンライン化やアルバイト・サークル活動の機会が限られるなど、本来であれば人間関係を築き、社会性を育む重要な時期に、対人経験の不足を感じた人が多いという調査結果も報告されています。

加えて、Z世代はワークライフバランスを重視する傾向があり、「仕事のために私生活を犠牲にするのは当然」といった価値観には強い違和感を覚える人が少なくありません。学校教育やSNSを通じて公平性や多様性の大切さを学び、ハラスメントを許容しない意識が根付いていることも一因です。社会課題への関心が高く、企業においてもフェアであることを重視する傾向が見られます。

つまり、Z世代は単にストレスに弱いわけではなく、自分の価値観に合わない環境に置かれた場合に強いストレス反応を示す傾向にある世代と考えることができます。このため、世代間の価値観のズレを理解せずに放置すると、早期離職やモチベーション低下につながるリスクが高まると言えるでしょう。

ストレスとの向き合い方や、メンタルヘルス不調の従業員へのサポート方法については、次の記事もぜひご覧ください。

関連記事:ストレッサーとは?種類や具体例、職場で行うべき対処法を解説
関連記事:メンタルブレイクから従業員を守るには?健全な職場運営のために必要な対策を解説

Z世代のマネジメントポイント

他の世代とは異なる特徴を持つZ世代を仕事で育成するには、価値観や行動特性を理解し、それに応じた工夫が不可欠です。彼らのポテンシャルを最大限に引き出し、組織全体の成長につなげるためのポイントを紹介します。

目標を設定する

Z世代は「自分に合った環境」や「成長できる環境」を強く求める傾向があります。そのため、ただ仕事をお願いするだけでなく、今後のキャリアや目標を本人と一緒に設定することが大切です。目標が明確になることで、本人が成長の実感を得やすくなり、前向きな姿勢で取り組みやすくなると考えられます。

「目的」と「意味」を伝える

「会社の指示だから従う」といった発想はZ世代には伝わりにくいと考えられます。納得感を持ち主体的に動いてもらうには、業務指示の際に「なぜその業務が必要なのか」という目的や意味を伝えることが重要です。こうした配慮によって、仕事の意義を感じやすくなり、成果への意欲も高まりやすくなります。

メンター制度を導入する

前述したように、コロナ禍の影響で対人経験が不足した可能性があるZ世代にとって、安心して相談できる存在は大きな心の支えです。メンター制度を設け、悩みやキャリアに関する相談ができる環境を整えることが重要です。孤立を防ぐことで安心感や信頼感が生まれ、安定したパフォーマンスにつながると考えられます。

継続的な成長の機会を提供する

Z世代は自身の成長やスキルアップへの関心が高い傾向にあります。企業側から研修や学習機会を提供し、継続的に学べる環境を整えると、成長実感を得やすくなります。学びの機会が継続することで成長を実感しやすくなり、モチベーション維持や長期定着にもつながります。

フィードバックをこまめに行う

「認められたい」という承認欲求が強いのもZ世代の特徴です。成果だけでなく取り組みの過程も丁寧に評価し、できている点を認めることで自信を育むことができます。小さな成功体験の積み重ねは、挑戦が苦手なZ世代にとって大きな励みとなり、新たな挑戦への前向きな意欲にもつながります。また、公平性を重視する世代なので、性別や立場で評価に差が出ないよう、透明性のあるフィードバックを心がけることも重要です。

Z世代のマネジメントでのNGポイント

Z世代に適切なサポートをしているつもりでも、方法を誤ると彼らの意欲が低下し、信頼関係を損なう恐れがあります。こうしたリスクを避けるため、Z世代の特性を踏まえた「避けるべき対応」を押さえておきましょう。

過度な叱責

Z世代は失敗への不安を抱きやすく、新しい挑戦に慎重になる傾向があります。そのため、過度な批判や叱責はおすすめできません。「挑戦すると怒られる」と感じさせてしまい、成長意欲を損ねる可能性があります。

大切なのは、挑戦した事実をまず認めることです。そのうえで「なぜ失敗したのか」を共に振り返り、次につながるフィードバックを行いましょう。また、Z世代は自身の価値観を大切にしているため、頭ごなしに否定するような言動も避けるべきです。

カテゴライズやレッテルを貼ること

多様性を重視するZ世代にとって、性別や年齢などでひとくくりにされることは大きなストレスになります。「Z世代だから」とレッテルを貼ることは個性の否定につながりかねません。世代全体の傾向を理解しながらも、目の前の一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢が重要です。こうした積み重ねが、Z世代との信頼関係構築に不可欠なポイントとなります。

まとめ

本記事では、Z世代の特徴や仕事観、その背景となる時代要因について解説しました。Z世代は多様性や個人の価値を尊重する反面、承認欲求の強さや慎重さ、リスク回避の傾向も持っています。こうした特徴を理解せずに接すると、早期離職やモチベーション低下といった組織課題につながる恐れがあるでしょう。そのため、Z世代の特性を踏まえたマネジメントや育成の工夫、継続的なメンタルヘルスケアを重視することが大切です。


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